てんはち雑記

400と75から1800になり2000

雑な18

こんにちは

実は皆さんの食を支える仕事をしています。
というのはまあちょっと大仰な感じですが、親戚筋の米作りに参加していたりします。

本日籾摺りと、そこまでの農機のメンテが終わり自分の役割は終わったので色々思うとこを書こうかなーと。

これはエヴァ見たときにも書いた気がしますが、北海道沖縄はともかく日本の割と広範囲で小学生は農業体験っていって田植えと稲刈りをやるのではないかなと思います。エヴァでは手植えを前進してやっておりましたが、皆さんはどうでしたか。僕はもっぱら後進して植える派です。機械で植える場合は前進ですが、それは予めマーキングしておいたところをなぞることができるとか車輪の通ったところは踏まないようになってるからなどです。

前進するのはおそらく全面手植えする場面だと思いますが機械の隙間を埋めてくのが主ですと、その場合後進のほうが良い気がします。植えた苗を踏まない、植えた苗のラインが曲がらないからなどです。手動でマーキングしてくなら別ですが。

さて、米離れが叫ばれて久しい日本ではございますが、依然として米が主食の大きな割合を占めているのは変わりありません。米ってのは大体5月ゴールデンウイーク頃に植えて今ぐらいの9月に収穫するわけです。約4ヶ月、まー育苗とか諸々ありますが、それだけの期間一度の栽培で主食足り得るというのはなかなかに凄いことですね。

例としてヨーロッパなどでは小麦や大麦など三圃式農業、すなわち収穫時期を冬・夏そして休耕地と農地を3分割して農業を営むという形態が現在でも用いられるわけです。

ここからどういうことが言えるかというと、日本の米作りってのは非常に効率的に行われているということになります。もちろん米だけで食っていける農家っていうのはほんの一握りで米終わったあと何もしないのかって言ったらそんなわけ無いんですが、主食の生産がそれだけの期間で行えるというのはなかなかないことです。

パンが増えてるけど小麦の生産より輸入が、とかってのはナシで。

定量の生産をこれだけ短期間かつ毎年出来るのは気候とか土壌というのもあるにしろ、重ねてきた品種改良などの研鑽があってこそですね。まーつまり、たまにはそういう諸々に感謝して飯食ってみてはということです。

そして稲刈りですが、うちのとこは機械触れるのが少ないという事情もあり農機のメンテがおざなりです。大黒柱というか監督というか仕切り屋というかが居なくなってから、毎年何かしらトラブってます。ですから手伝いなんですが技術的にはシビアな仕事という感じです。

農業やらない皆さんには同じに見える田んぼでも本質的には生物を扱っているんだなと思わされる時があります。稲刈りなんてのは台風シーズンでもありますから、濡れた稲とか乾いた稲とか混在します。状況に応じて変わるので、難しいなあって思います。トラブルの原因になったりね。

で、コンバインなどバラしてたんですが触ってみると、んー以外とメンテに関してあまり積極的な設計してないのかな〜とか。クボタのわりかし新し目のやつなんですけどね。
どういうことかというと、コンバインは主に稲の刈り取り→脱穀→不要な藁の排出→籾の貯蔵→籾の排出をするわけです。籾の排出ってのはコンバインに一時保管した籾を軽トラなんかに移す作業です。籾は一粒残らず排出出来るわけではないのでコンバインに残ります。これが厄介で、籾つまり米は種子でもあるわけです。
ほかしておいて発芽されると各部の詰まりの原因にもなるし、うちは2品種やってるので残したくないんですね。あと古米が混ざるってことにもなるし。

そうしたメンテというか掃除のための掃除口が各部に設けられてるんですが、そこが結構12mmとかのボルトで止まってます。一部は蝶ナットですが。

ですからある程度工具持ってるのが前提というか、そういう造りなんだよなぁと思いました。工具を一切持ってない家庭があるのかどうか、そういうとこで育ってないのでわかりませんが、ソケット工具は無いっていうとこ案外あるんじゃないかなーと。プラスドライバーは流石に一本ぐらいあるでしょうが、んーどうでしょう。
そういう設計からもインダストリアルというか、農業っていう産業に関わる産業機械として作られているんだなぁと思ったり。

もちろんアフターサービスというかメンテナンスを外注出来たりもしますが、それなりにお値段もね…。趣味でコンバイン買うっていう人間が果たして存在するのか知りませんが、一応車みたいに整備は全部任せるってのも可能です。
でもコンバインって結局年に一度稲刈りをするためだけの存在ですから、なかなか難しいのかな。クソでかい田んぼでクソでかいコンバインを使うとこなんかは投げるという話も聞きました。

まあなんにしても定期的なメンテナンスは必要だっていうのが教訓ですね。

それから最近はコンバインも自動運転とかありますから、技術の裾野は広いなぁと思います。つっても車みたいにただ走るってことでなく、面積を測定して無駄なく走りつつ刈り取るってことです。トレンドは楽に作業するってことですかね。高齢化の時代ですし。
皆さんの農業のイメージってどんなものかわかりませんが、最近はコンバインとかトラクターなんかもキャビン付きでエアコンバチ効きだったりします。ある程度のサイズ以上ってのはありますが。

色々言いたいことはあるんですが、様々な苦難を乗り越えて皆さんの食卓に食べ物というのは届けられるわけで、そういう背景を少し知ってもらいたいなーと思います。


おわり